戒めの塔

この槍の元の所持者は、物腰が柔らかで、礼儀正しく、清
潔な性格であったが、己のある性格を恥じ、人を避け、弟
たちと森で密やかに暮らしていた。

しかし、ある時、世界を恐怖に陥れた帝国軍に家を襲撃
され、弟達を皆殺しにされたその者は、深い悲しみのうちに
自害を果たそうとしたが、それもできず、その時近くにいた
妖精と契約をしてしまう。

契約者となり、その代償に己の視覚を奪われたその者は、
世界を恐怖から救う為、立ち上がり帝国軍との戦いに身
を投じていった。

救世主とともに、世界を恐怖から救ったその者だったが、
幼き同性を狂気的に愛おしく感じてしまう愚かな性癖は
直らず、今も己を恥じ、ひっそりと暮らしている。