血竜の焔

暇を持て余す程生きた。
繰り返す生と死は滑稽ですらあった。

老いて鈍重な体で長らえた。
瞬きする間に散りゆく人間を数えきれぬ程見た。

失われていく心と共に生き続けた。
嘆くことも憤ることすらも忘れてしまった。

飽きることなく続く強奪と殺戮に広がる戦火。
繰り返される歴史に竜はとうとう生きることを飽いた。