処女の咎

昔々、ある所に仲の良い三人の少女がいました。
政略結婚が当然で、女性が自由に生きるのは難しい時代でした。
けれど三人の少女は「共に純潔を守りましょう」と誓いました。

少女の一人は豊かな金髪の華やかで美しい娘でした。
彼女は長い髪を切り、亡き兄の代わりに隊を率いて戦地に赴き
信頼する従者の男に背を預け立派に戦い、戦死を遂げました。

少女の一人は黒髪の涼やかで麗しい娘でした。
本を愛した彼女は貧しい家の青年と想いを交わすもどうあっても
報われぬと知り、二人で海に身を投げ入れ戻らぬ人となりました。

最後の一人は、亜麻色の髪をした愛らしい娘でした。
他の二人がとうに誓いを破り純潔を失っていたなど露知らず
死するまで頑なに純潔を守り通し、1人で老いて病死しました。