忘却の羽根

強烈な一撃で相手の記憶を消し去る闇。
殴れば殴るほど、記憶は失われ最後には
自分自身の存在すら忘れてしまう。

ある日、この槌を手に入れた過去に悩める兵士が
自らの頭を殴りつけた。
次第に失われていく兵士の記憶。

記憶を失うと同時にさかのぼっていく思い出。
自分の過ちで仲間が死んだとき…固い決意で兵士
になったとき…目の前で両親を殺されたとき……。

幼少の頃の記憶に戻り、未来に希望がもてるよう
になったときには、兵士の頭はすでに潰れ、
そのまま息絶えた……。