この世界で最も大きな剣。普通の人間では振るう
どころか動かすことすらできず、今までこの剣を
使おうと思う人間はいなかった。
この大剣を所持していた「バッカス将軍」は、弱者
の命でさえも容赦なく奪う冷血漢で、自分の力
を誇示するために殺した敵の鎧を溶かし作り上げた。
命を奪う度に重くなる大剣。
次第に持ち運ぶのさえも困難になり、誰にも、
当の本人さえも扱えなくなっていった。
ある朝、バッカス将軍の惨殺死体が見つかる。
屍の傍らには血に染まり肉片の付いたこの鉄塊。
いったい誰がこの剣を振るったのであろうか…