学者は自分の存在意義を追い求めた。どうして自
分がいるのか?父母がいて自分がいるのは子供で
もわかる。だが人間はどこからやってきたのか?
神が創りだしたのか?学者は悩み続け、その答え
を空に求める。人は万物の構成要素のひとつであ
り、その中でも大きな存在のはずだ。
万物は太陽、月、星、大地、人で構成されており
人だけが唯一破壊的な存在だと考えた。ある日、
学者がそんな仮説を酒場で得意気に話した。
説法にも似たそんな話を聞き、一人の老人が大声
で笑い、鉄塊をテーブルに載せた。「ここにすべて
がある。」そう言い残し老人は去っていった。