痩躯の魔術師

痩躯の魔術師が握っていた杖。
魔術師はひどく冷徹で意地の悪い性格だったため
いつも町の人々や弟子から憎まれていた。

己の身に危険を感じた魔術師は、悪魔の力を借り、
恐ろしい魔力を持つ杖を作り上げる。
自らの精気を失うのと引き換えに…。

その杖の強大な力に我が身の精気を奪われ
痩せ衰えていったが、魔術師は構わず杖を使って
傍若無人の行いを繰り返す。

結局、魔術師は弟子の陰謀から我が身を守るため、
死ぬまでこの恐ろしい杖を手放すことはなかった。
最後には骨と皮しか残っていなかったという。

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