デボルポポル

むかしむかし、北のとある寒い国にデボとポポという、とても
仲の良い姉妹の鍛冶屋が暮らしていました。いつものように
二人が仕事に励んでいると、大慌てで村人が駆け込んで来
ました。なんと!幼い頃に突然消えた母が見つかった知らせ
でした。

母“ボコ”は、山の梺にある巨大な氷塊の中に当時と変わら
ぬ若々しい姿で閉じ込められておりました。二人は力を振り
絞って何度も氷塊を壊そうとしましたが、いくら火をくべよ
うが、巨大な鎚で叩こうが、まったく壊れる気配はありません。

諦めかけた時、ポポが言いました。『お姉様……私達の鍛え
た剣ならひょっとして……』デボは二人の愛と努力の結晶、
傑作“デボルポポル”を母眠る氷塊へ!するとどうでしょう!
二人の身体は氷の中の母に抱かれておりました。

『二人とも…大きくなって…。』母は氷塊の中で生きており
ました。二人は嬉しくてずっと泣きました。そして、何日も
語り合いました。二人が出ていく時、母は二人を引き止めま
せんでした。なぜなら姉妹は炎を扱う鍛冶屋だったからです。

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