かつて、封印騎士団団長オローが健在だった頃、気炎の直
轄区の守りを任され、火炎の賢者と呼ばれた魔道師がいた。
オロー団長の良き理解者でもあり、親友でもあったその魔導
師は、気炎の地をその偉大なる魔力によって、清浄に保って
いた。
しかし、オロー団長が敵の刃に倒れた後、次期団長との対立
により封印騎士団を離れたその魔術師は、気炎の地にて、
圧政に苦しむ人々の為に、尽力を注いだ。
飢えに苦しむ人々に食料を買い与える為、売れるものはすべ
て売り、己の魔力を引き出す為の武器さえも売り払い、最後
には餓死したという。