皇帝たる資格を問う、神性を持つ槍。覇者たることを望む
戦士達の間を渡り歩くといわれている。今は昔、天下に覇
を唱えんとする一人の武者が、槍を手にした。
槍は武者に問う。
「覇者たるものが有する、武の役割とは何か?」
武者は答えることができなかった。武者は槍の力を持って
一国を興したが、国は十年と数えぬうちに亡びた。
国が亡びた際、一人の将が槍を持って落ち延びた。将がい
くら逃げようとも追手がそれを赦さなかった。やがて将が追
手に囲まれ、死を覚悟した時、槍は将に同じ問いをかける。
将は静かに答えた。「武の役割は七つ、ひとつは…」
将が答え終わらぬうちに、槍は将の体を雷で纏い、追手を撃
ち払った。…その後、将は一代にして大帝国を築き、国は千
年の後にもその栄華を誇ったという。