長き戦いの末、ついに男は王の心臓に槍を突き刺した。絶
命する王。歓声と共に革命軍が、一気に城へなだれ込む。
これで…この国は悪政から解き放たれ平和になるだろう。
男の顔に、笑みがこぼれた。だが…それもすぐに消えた…。
最後の戦い…どうも腑に落ちない。なぜ王は抵抗せずに死
んだのだ。いや、それどころか自ら命を捧げた様子にも見
えた…。あれが…国民に悪政を強いてきた王の姿だろうか。
悩む彼の元に仲間から王の間に来るように連絡を受ける。
仲間と共に王の間に向かう男。そこには…何者かに拘束さ
れていた姫の姿があった…。そして…姫の口から驚くべき
真実を知る…。姫は、長い間、隣国の者に人質に捕られ
ていたのだ。王は脅され続けていた。姫の目から涙がこぼれ
る…。
男はその場で姫の命を奪った…。確かに王は、娘のために、
仕方なく悪政を強いてきたのかもしれない。だが今、必要
なのは真実ではない。苦しみ虐げられた国民が立ち上がり
憎き王を討つという“真実”のみ。真実は闇の中……男は
王となった。