太古の昔、魔法の力により治められていた国があった。
その国には年に一度、国を守る魔力を高める儀式があり、
その儀式では、この銅剣をもった巫女が美しく舞った。
年を重ね、儀式を重ねる度に、この銅剣は美しさを増してい
き、遂には、眩しいほどの光が刃から放ち、巫女が舞うと怪しい
紫色の軌道を描き始めた。不思議なことに、儀式で舞い踊っ
て いる巫女もまた、その美しさをどんなに年を経ても失うこ
とがなかった。
ある時、巫女の永遠とも思える美しさの秘密が銅剣にあるの
ではないかと考えた、国の王女は、巫女より銅剣を奪い、抵
抗する巫女を殺し、剣を我が物とした。永遠の若さを手にし
た王女であったが、巫女のいなくなった国はたった一年で衰退
し、”若さ”以外のすべてを失った王女は自害して果てたという。