死、骸、暴…
十八年前、帝国と連合国が争う戦乱の中、オローは連合国の
将として、一軍を率いていた。敵も味方もわからぬ大戦の最中、
世界を“大災厄”が襲った。雲を裂く雷光と共に、オローは数多
の部下と、故国を失った…
餓、害、荒…
“大災厄”は英雄立達によって鎮められ、戦乱もその灯火を
消した。だが、両者の残した傷は、あまりにも深かった。オロー
は単身、各地を遍歴し人々を救った。災厄の傷と、人々の
困窮はオローの心に深く、冷たく刻み込まれた。
旗、鎧、槍…
オローは旅の途中、英雄達が組織した騎士団が、あの”災”を
封じ人々を安んじていることを聞く。一人では救いきれぬ人々
の数、身をもって知る災厄を封印すること。オローは迷うことな
く入団した。騎士達を従え、さらに多くの人々を救ったオローの
目は、輝きに満ちていた。
死を以って知る、愛と、憎しみ…
英雄達の確執に巻き込まれ、オローはその命を落とす。ジスモ
アによる謀殺…しかし、いまわの際までオローはジスモアの罪
を責めなかった。たとえその気質が自らの命を奪おうとも、それ
こそがオローの貫く正義であった。