とある夫婦が妻の腹に子ができたことを告げられた。二人は
初めての子を喜び、周りの者は二人を祝福しようと、明くる
日の夜、宴を設けた。親戚始め多くの者が祝福しに訪れた。
その中に見事な法衣の預言者がいた。
預言者は夫婦に一振りの短剣を渡して言った。「この剣は
使うものを選ばず、振ればそれは手練の一閃となろう。これ
をもって子を守るがよい」夫が剣を持つと、自らの力は漲り
技巧が冴えゆくのがわかった。
夫婦に預言者はさらに言った。「生まれてくるは天の子。生
まれてくるは人の子。人に災いをもたらすとなるならこの剣
で突くを選べ」夫婦は顔色を変え、夫は剣を振り上げたが、
いつの間にか預言者はいなくなっていた。
宴の日以降、妻は預言者の言葉が気になりやや鬱になり、
夫は短剣の力で兵となり、家になかなか戻らなくなっていた。
そして二人の子は生まれた。かわいらしい双子であった