月光と闇

大理石でできた剣は鍛冶屋の熱き魂を受け継いでいた。
戦に猛り、血に飢え、闘いを渇望する者に振るわれる事を
心の底から待っていた。

けれど自ら熱を生み出す灼熱の刀身は、戦いに明け暮れる者が
手に取ったとしても、全て焼き尽くしてしまう。

剣は待ち詫びていた。滾る心を諫め導く、力強い心を。
剣は待ち望んでいた。己が刀身に血を通わせる、猛き者を。

やがて待ち望んだ相手の命を奪うとしても、
それでも剣はひたすら待ち続けていた。
己が魂を納める器。氷のような永遠を。

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