溢れる緑の息吹は全ての生命に祝福を与え、
輝ける蒼の清流は全ての生命に恩恵を与える。
そこには花が咲き、小鳥囀る、命に満ちた約束の地。
突如その地に現れた各地の軍勢が土地を巡って争い、
踏み荒らされた大地は彩りを欠き、祝福も恩恵も失い、
枯れ果てた大地には屍が折り重なるようにして山になっていた。
時は経ち屍は草木が覆い、やがて花が咲き、いつしか鳥の囀りと
小川のせせらぎが響く豊かな大地となった。
大地に突き刺さった一振りの美しい剣が、唯一の戦の名残だった。
大地から剣を抜いた若い王は、笑みを浮かべ声を張り上げた。
「この豊かな地を我が国の領土としよう!」
再び争乱が始まるのか平穏が保たれるのか。それはまた別のお話。