ある日、森に一羽の鷹が迷い込んできました。大空を飛ぶ優美な翼
は傷付き弱り果て、今にも死んでしまいそう。その姿を憐れに思っ
た美しい小鳥は、必死に鷹の世話をしました。
美しい小鳥のおかげで、鷹は徐々に元気になりました。優々たる大
きな翼に寄り添う、光輝く小さな鳥の姿は、森の動物たちの憧れの
的となりました。
傷が完全に治った鷹は、森の外へ帰ると言いました。けれど必ず
戻ってくるとも。美しい小鳥は、友情の証としてその輝く羽根を一
枚、鷹に与えました。
約束通り鷹は戻ってきました。その傍らに人間を連れて。「この羽根
は高値で売れる。良くやった」人間は鷹を褒めると手にした大剣で
小鳥を叩き殺し、その羽根を全てむし取りました。