式のその日に親を殺され、愛を誓う男を殺され、それら死骸の前で
犯された娘がいた。「奴らを殺せるのなら死んでもかまわない」そう
願う娘の前に光り輝く小鳥が現れた。
「叶えましょう。その剣に願い続ければきっと」小鳥は娘に短剣を授
けた。娘はそれをかき抱き、涙ながらに呪詛を吐く。
「何があっても私は永遠に忘れない。どうか奴らに醜い死を」
時が経ち、復讐を果たした娘は老女になっていた。再び小鳥が現れ
る。「願いは?」そう言われても、老女には何の事だかわからない。
そういえば、大事にしていた短剣はどこに?
その夜、老女の家に強盗が押し入った。娘は犯され孫は殺されてし
まう。かろうじて生き延びた老女の前で光り輝く小鳥が再び問う。
「今度はいつまで憎んでいられますか?」