百獣の双槍

むかしむかしある王国に3人の兄弟がいました。
3兄弟の三男は毎日寝て暮らすなまけ者でした。
でも、三男はとても陽気だったのでみんなに好かれていました。

国に病気が流行った時も、三男は王宮でゴロゴロしながら鼻歌鳴らすだけ。でも街の人は三男の陽気な歌声に癒されるようだと三男の事を褒め称えます。
あの人は立派だよ本当に立派だよ。

国が戦争に巻き込まれた時も、三男は王宮でゴロゴロしながら昔話をするだけ。でも街の人は三男の面白い話で戦争のつらさも忘れる事が出来ると慰め合いました。
あの人はすごいよ本当にすごいよ。

ある日も三男は王宮でゴロゴロしていました。でも今日は街の人の声は聞こえてきません。三男はゴロゴロしながら、どうしてだろう?ゴロゴロ、どうしてだろう?ゴロゴロ、どうしてだろう?
ゴロゴロ……と考え続けていました。が、そのうち眠くなって寝てしまいました。
戦争と病でみんな死んでしまった国で、いびきだけが今日も王宮に響いています。
ここは幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。幸せの王国。

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