白の矜持

その槍を持つ者は非業の死を迎える、そんな呪われた品があった。
いまその槍を持つのは魂の存在しない機械人形。
人ではない機械に、槍は何度も死を与えた。

機械人形は、同じく機械でできた兵器達と戦争をしていた。
潰されての圧死。燃やされての焼死。突き落とされての転落死。
機械人形は何度も生まれかわり、再び戦場に投入される。

戦争はより過激に、より複雑になっていった。
自爆による特攻。偽りの作戦。仲間からの裏切り。
魂のない機械人形は、無限の地獄を繰り返してゆく。

やがて、機械人形に最後の死が訪れた。それは信頼する仲間を守るための自己犠性。二度と復活できない作戦。
その身を蝕む苦痛の中で、機械人形は安らかに眠った。

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