少女は目の前に広がる光景をただ眺めていた。
傍らには父親が無数の刃に切り刻まれ、母親は死にながら兵士たちに犯されている。生まれたばかりの弟は暖炉に放り込まれ、その身を焦がしていた。
家族を殺した3人の兵士を、少女が涙を流して睨んでいた。
数年後、復讐を誓った少女の姿があった。
1人目は軍服がはち切れそうなほど太った兵士だった。
少女は楽に痩せる方法があると兵士に持ちかけた。
診察をすると言って兵士を寝台に寝かせた後、両手足を斧で切り落とした。手足が無い状態で逃げようとする男を、まだ痩せるところがありますよ、と押さえつける。これでスリムになりましたね、と 少女は丸くなった胴体に呟いた。
2人目は無類の女好きの兵士だった。
毎日の様に自分の館で、数多の女たちを呼び夜を過ごしていた。
少女は兵士の周りに群がる女たちを殺し、恐怖におののき、命乞いの言葉しか話さなくなった兵士の男の象徴を斧で切り落とした。
3人目の兵士は軍を退役し、辺境の村で家族とのんびり暮していた。
家族が寝静まってから少女は家の支柱に斧で亀裂を入れた。支えが無くなった家は崩れ落ち、少女は家に火を付けた。火は大きな焚火の様になった。
燃え上がる家の中から、身体中を火傷した兵士の息子が逃げ出してきた。兵士の息子は家族を殺した少女の姿をただ見つめていた。
少女は持っていた斧を兵士の息子に差し出し、暗闇の中へ逃げて行った。