東方の大商人が贅沢の限りを尽くし作り上げた
至高の刀。その鋭い切れ味は空気をも切り刻み、
切られた者は痛みも感じずに絶命していくという。
しかし、持ち主の業の深さが乗り移ったせいなの
か、刀身に映る己の姿は醜い魔物の姿をしている。
欲深いものが覗くとその姿はより醜く映るらしい。
商人も自らの姿が誰よりも恐ろしく、目も当てら
れぬほど醜く映るので、できるだけ見ぬようにし
ていたのだが…。
ある日、魔が差して覗いてしまったその姿は、
この世のものとは思えぬほどの醜い姿だった
ため茫然自失となり、その場で自らの首をはねた