むかしむかしある王国に三人姉妹の王女がいました。三女は世界一
醜いと評判でしたが、とても心の優しい少女でした。
人の役に立ちたいと願う三女は野に下り、民に救いの手を差し伸べ
ます。けれど、その手は弾かれ好意を受け取って貰える事はありま
せん。それどころか人々は少女を疎み遠ざけます。
三女が拒まれるのは醜いからだと、ある人が言いました。しかし少
女は自分の尽くす心が足りないからだと思い、毎日無償で奉仕を続
けました。毎日毎日毎日毎日--
ある日、三女は路地裏で小さくなって死んでいました。けれどその
遺体の醜さゆえに誰も葬ろうとはしてくれません。醜い少女は醜く
腐ってそのまま土に帰りました。